旧友からの誘い
昔の友人と会う事になった。
年賀状だけの付き合いになりつつあり、毎年「今年こそ会いましょうね」とお互い書くのが恒例になっていた。それが急に思い出したかのように、ふと彼女からメールがきた。
「近々会いませんか?」
彼女に子供が出来てから、私から会おうと誘う事はなくなった。
話題に困るとか、気持ちの上で距離が出来た事もあるが、何より彼女が子供の事で忙しくなっている様子なので、誘うタイミングが分からない。
彼女は気遣いが出来る人。私が誘えば無理をしてでも会おうとしてくれるだろう。それを思うと私から誘う事はなくなり、相手から誘ってくれれば会うという関係になった。彼女に限らず、私は誰に対してもそうなってしまった。
「いつでも大丈夫だよ。都合の良い日を連絡してね」と返信した。
「次の水曜日にパートが休みなんだけど、午後から子供が帰ってくるんだよね」とメールがきた。
彼女と会うのは外でランチではなく、いつも彼女の家で持ち寄りのランチと決まっている。なので過去にも、話していると途中で子供が学校から帰ってきた事もあった。
それを気遣ってのこのメールの文面なのだが、これがもしお互い子持ちだったらどうだろう?
「子供が午後から帰ってくるけどいいよね?」となるのだろうか。
私と会う場合には、私に子供がいないから気遣ってくれている様な気がする。
本来なら「そんなのいいよ、Aちゃんにも会いたいし。一緒にお茶しようよ」と言うべきなのだろうが、私には逆の意味での不安があった。
「いいよ」と言える程、私自身、子供とテーブルを挟んで会話出来る自信がない。
ぎこちなく接してしまい、子供に居辛い思いをさせ、友人には軽蔑されるのではないかという不安があった。
私は返信した。
「Aちゃんに迷惑じゃないのかな?」
だが彼女は気にした様子もなく、「全然平気だよ。それじゃ水曜日にしましょう。楽しみに待っているね」と、結局その日に会う事が決まった。
そして予定の日、彼女の家を訪問した。
---------------------続きます。
「子供が午後から帰ってくるけどいいよね?」となるのだろうか。
私と会う場合には、私に子供がいないから気遣ってくれている様な気がする。
本来なら「そんなのいいよ、Aちゃんにも会いたいし。一緒にお茶しようよ」と言うべきなのだろうが、私には逆の意味での不安があった。
「いいよ」と言える程、私自身、子供とテーブルを挟んで会話出来る自信がない。
ぎこちなく接してしまい、子供に居辛い思いをさせ、友人には軽蔑されるのではないかという不安があった。
私は返信した。
「Aちゃんに迷惑じゃないのかな?」
だが彼女は気にした様子もなく、「全然平気だよ。それじゃ水曜日にしましょう。楽しみに待っているね」と、結局その日に会う事が決まった。
そして予定の日、彼女の家を訪問した。
---------------------続きます。
- 関連記事
よく読まれている記事