黒い心
もうすぐ憂鬱なお盆だと思っていたら案の定、母から電話があった。
「お盆は何日に来るの?」
毎年思うが、お盆に実家に帰るのは当たり前なんだろうか。
この時期に必ず皆が集まらねばならないと言わる事、それが重荷で億劫になる。
その億劫な気持ちは年々深まり、実家の母や兄とも増々気持ちや考え方に距離が出来ているように思う。
その原因は、私達夫婦に子供がいない事にあるのかもしれない。
もし兄夫婦に子供がおらず、大人だけの集まりなら今よりは気が楽な気がする。
だが現実は兄の子供達も一緒に来るだろう。すると必然的に私はその甥や姪に何か話しかけなければというプレッシャーを感じる。
こんな私でも「良い叔母」を演じなければと思うのだ。
でも私の心は真っ黒で、正直甥と姪を可愛いと感じられない。
滅多に会わない兄家族。たとえ会っても兄夫婦とはほとんど会話はない。そんな状況で甥や姪を可愛いと思える感情が湧いてこない。
まだ毎日見ている近所の子の方が、可愛いと思える瞬間がある程だ。
だが私の母にとっては可愛い孫。
私にも叔母として可愛がって欲しいのが見える。
無理にでも私と甥達を会話させようと、いつも必死に話題を探す。
それが余計に私の心を遠ざける。
きっと今年も私は引きつった笑顔でぎこちない会話をするのだろう。
子供達はそんな私を敏感に感じ取り、いつまでも私には懐かない。
甥と姪に罪はないのに、こんなにドス黒い心を持った叔母で申し訳なく思う。
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