在宅ワークへの偏見

少しでも社会と関わらないといけないとか、人と会話しなくてはいけないとか、そんな考えで自分を追い詰めても苦しいだけ。
無理をするのはやめよう。
出来ない自分を受け入れよう。
この先は静かに穏やかに家の中だけで過ごすのだ。
これはただ逃げているだけかもしれない。
いや、かもしれないではなく、逃げている。
だけど自分の年齢と、あと何年働けるのか考えると、そんな事どうだっていいじゃないかという気持ちになる。
世間的には間違った生き方であっても、自分が心地よく生きられるならそれでもいいではないか。
…と思い込もうとした。
だが今日、実母から電話があり、私の心は砕け散った。
久々に猛烈に落ち込み、電話を切った後、数時間は何も手がつかなかった。
母からの電話の内容は、兄の妻が再就職したという事だった。
義姉はここ何年か体調を崩し、昨年も心療内科に通っていると聞いた。
だがいつの間にか改善したのか(どうか知らないが)、最近パートで働き始めたらしい。
「週に5日、しっかり働くらしいわよ」
「ふーん」
心がザワザワした。
母の言う「しっかり」とはどういう意味か。
「朝から夕方まで働くらしいから、忙しいわね。でもいつまでも家に引きこもっているよりずっと良いわ」
心がチクチクした。
私への嫌味にしか聞こえない。
せめてそこで会話を止めてくれればいいのに、母が言った。
「で、ころりは?」
「何が?」
吐気がしてきた。何を言わせたいのか。
「ころりもそろそろフルタイムで働けば?勿体ないでしょ。まだ若いんだから」
私自身、これからは在宅ワークで一人ひっそり働くのもいいかもしれないと、出来ない自分を認めようとしている時に、この母からの言葉。
引きこもる私を認めない母。
もう私を諦めてよ…と思う。
私自身が私を認めても、母が私を認めない。
私は声を振り絞るようにして言った。
「これからは在宅ワークでいいかと思ってる」
すると母は馬鹿にしたように言った。
「あんなの外に出られない人がする仕事でしょ?普通に働かなきゃダメよ」
普通って何?
母が決めた普通の世界から脱出したい。
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