品定めしている姿を品定めされる

夕飯の準備をし始めた時、マヨネーズが無い事に気付いた。
どうしよう。ポテトサラダを作ろうとして既にジャガイモを茹で始めている。
別のメニューに変更しようか…と迷ったものの、ハムやキュウリも冷蔵庫で待機している為、マヨネーズを買いに行く事にした。
家から一番近いスーパーに行った。
普段は近所の人に会いたくないので、わざわざ少し離れたスーパーまで買い物に行くが、今は緊急なので仕方がない。
日曜日の夕方。
普段は絶対に行かない時間帯だ。人が多くてきっと誰かに会いそう…。
ビクビクしながら店内に入り、調味料売り場に直行した。
マヨネーズを手に取りカゴに入れ、レジに向かう途中でカップ麺が目についた。
実は最近私はカップ麺にハマっている。
添加物だらけで以前は全く食べない人だったのだが、最近夫が購入してきたカップ麺を食べてから癖になってしまい、それも食べる時間は深夜。
夜眠れない事もあり、深夜に熱い麺が無性に食べたくなる。
普通の食事はなかなか食欲が出ないのに、少し前はグラノーラ、今はカップ麺、という不健康な食生活だ。
私は初めて見る「激辛」と書かれたカップ麺と、その他にも2個カゴに入れた。
カップ麺を見ているうちにビクビクしていた緊張が薄れ、ふと精肉売り場にも寄った。このスーパーは肉が安い事が多いのだ。
すると何と牛肉に3割引のシールが貼られていた。
国産なのにこの価格。そう古そうでもないし、これはお買い得では?
私が見ているうちにも他の主婦がその牛肉を手に取っていた。
私もつられるようにして慌ててその牛肉をカゴに入れた。
と、その時、「ころりさん!」と背後から声をかけられた。
しまった!
振り返ると近所の主婦だった。
早く帰らずズルズルと他の商品を見てしまった為に、やはり近所の人と会ってしまった。
「あ…こんにちは」
私は挨拶したが、その主婦の視線は私のカゴの中。
「あ~、やっぱりその牛肉買う?私もさっき見たのよ」
と言いつつ買わなかったのはなぜ?
何だか恥ずかしい場面を見られたような気分。
さらにその主婦が言った。
「ころりさん、カップラーメンなんて買うの?ご主人が好きなの?体に良く無いわよ。私は絶対子供に食べさせないようにしてるの」
…やめて欲しい。
私のカゴの中の商品に対するコメントはいらない。
これだから近所のスーパーに行くのは嫌なのだ。
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