歳だからという言い訳

今日は母に電話で指摘された。
「あなた、最近よく自分の事を「もう歳だから」って言うわね」
その口調には批判めいたものが込められており、私はまた嫌な気分になった。
母の言う通り、私は最近実家の母と話す時、「歳だから疲れやすい」とか、「この年齢だと体調も悪くなるわ」などと言う事が多い。
だがそれは自分を卑下したり愚痴りたくて言っているのではない。
むしろ内心、この言葉を言える事が嬉しいぐらいなのだ。
それは母に対して、無意識にボーダーを引く為に言っているのだと思う。
年々母は私への依存が強くなり、「老人は孤独だ」「先日も体調が悪かったけど一人で我慢した」など、話す時には必ずそういう事を私に言う。それは事実なのかもしれないが、私は毎回母のそういう話を聞くのが辛い。
私にどうしろと?
まだ足りないの?これ以上の関係を求めるの?と追い詰められた気分になる。
母はきっと、
「どうして私に連絡しなかったの?遠慮せずに言ってよ」という娘の言葉を期待している。それが分かるからこそ重い。
そこで40代半ばぐらいから、私は「私も歳だ」という事を母に言うようになった。
考えてそう言うようになった訳ではなく、気付けば無意識にそれを言い訳のように使うようになっていた。
母が辛さを言い始めると、それに被せるように「私も歳だから」と言う。母にそれ以上愚痴らせないように。
すると母の方もそんな私に不満を感じたのか、今日は堪り兼ねたように言ったのだ。
「歳だから歳だからって、あなたまだ40代でしょ⁉今からそんな事言っていてどうするの!」
「そんなネガティブだから体調も悪くなるのよ!聞いているとこっちまで鬱陶しくなるわ!」
私は震える程腹が立った。
「歳だから」と言わせているのは誰のせい?
こんな母だから、逃げたくて歳を言い訳にしたくなる。
凄く凄く腹が立った。
それなのに声が出ない。
そんな自分にも悔しくて腹が立つ。
どうして母に怒れないのか。
何が正しいかなんて考えず、思いっきりブチ切れる事が出来たらどれ程スッキリするだろう。
いや違う。
きっとその後は自己嫌悪に陥って今以上に落ち込むだけ。
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