憂鬱な行事
近所の年配の主婦が家にやってきた。
「ころりさん、今度の夏祭り、欠席だって?」
もうすぐ地域の夏祭りがある。
先日回覧が回ってきた時に、不参加にそっとチェックしておいたのだが、案の定その件で来たのだ。
毎年恒例の夏祭り。
小さな祭りだが、その日はこの地区の道路は通行止めとなり、道には屋台がズラリと並ぶ。その道の先にある空き地ではメインイベントとなる花火が行われ、この住宅街に住む子供達にとっては夏の楽しみの一つであろう。
毎年行われている行事だったがここ最近は特に、「特別な事情がない限り不参加は認めません」という、なんとも重苦しい決まりが出来た。
年配主婦は続けた。
「あのね、ああいう行事に参加するからこそ、皆とも仲良くなれるのよ」
「子供がいないとか関係ないわよ。他にもいない人だって参加するんだから」
私が何も言っていないのに、私の心を見透かすように一人で話し続けた。
「あの……たまたまその日に用事が出来てしまって」
ボソボソと言い訳してみたが、年配主婦は聞こえていないかのように、
「とりあえず絶対参加!いいわね?」
と、持っていた参加者の一覧表に丸印を付けた。
「でも本当に行けるかどうか」と私は慌てて、帰りそうになる年配主婦の背中に向かって言ってみたが、
「何とかなる!」と言いながら、立ち去ってしまった。
どうしよう。
夏祭り。
以前とは違い、更に若いママ集団、子供達が増えているだろう。想像しただけで息がつまる。
私一人で行くなんて……本当に憂鬱。
「あの……たまたまその日に用事が出来てしまって」
ボソボソと言い訳してみたが、年配主婦は聞こえていないかのように、
「とりあえず絶対参加!いいわね?」
と、持っていた参加者の一覧表に丸印を付けた。
「でも本当に行けるかどうか」と私は慌てて、帰りそうになる年配主婦の背中に向かって言ってみたが、
「何とかなる!」と言いながら、立ち去ってしまった。
どうしよう。
夏祭り。
以前とは違い、更に若いママ集団、子供達が増えているだろう。想像しただけで息がつまる。
私一人で行くなんて……本当に憂鬱。
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