楽しめる人

自治会のクリスマス会が終わった。
疲れた。
毎年嫌な行事に変わりは無いが、参加してみると身構えていたよりもマシだった思える年、疎外感ばかりで一人ぼっちの年、無理に明るいフリをしてしまった年…微妙に違いがある。
今年はいつもにも増して気疲れした年だった。
こういう行事の時、私は大抵60代の主婦達のグループに近寄る。
同年代の主婦達は皆子連れであり、ママ友関係もハッキリ見える為に近寄り辛い。
今年も彼女達を避けたかったのに、席に空きが無く、私は流されるように40代の主婦が集まる席に座らされてしまった。まさに苦手なグループのど真ん中。
最初は気遣って隣の人に話しかけてみたが、会話が続かずお互い気まずいだけだった。
彼女達は普段から付き合いのあるママ友同士で話すのに夢中だ。
互いの子供にも話しかけ、学校や共通の知人の話題をしている様子を見ていると、私はこの場で邪魔でしかないような気分になる。
ゲームや飲食の後、サンタクロースが会場に入ってきて皆に菓子を配り始めた。
私が適当に買ってきた菓子だ。
子供達がそのサンタクロースを見て、「ワハハハッ!」と指差して笑っている。
その母親達も「似合ってますよ~」「写真写真!」と言いながら嬉しそう。
そのサンタがある子供の父親なのは誰もが分かっているようで、皆がそれを面白がっているのだ。
私もさすがに仏頂面をしている訳にもいかず、笑顔を作った…つもり。
だけど内心、「こういう行事は仲良しグループだけでやってくれればいいのに」と思う。
だがクリスマス会が終わり、一人暗闇の道を歩いて帰宅していると、60代の主婦に話しかけられた。
「楽しいクリスマス会でしたね」
その表情は上辺だけではなく、本当に楽しいと思っているように見えた。
「そうですね」
そう答えたものの私は全く楽しくは無かった。
年齢問わず、子供の有無も問わず、こういう集まりを求める人がいるのかもしれない。
私もそうなれたらどれ程楽だろう。
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