超えられない線

――前回(▶家にいるなら協力するのが当然)の続き。
近所の主婦達に、クリスマス会の役割を頼まれた時、さらに気になる言葉があった。
「私達もころりさんがやりやすい担当をお願いしているんですよ?」
私が頼まれたのはプレゼント用の菓子を用意する係だ。
その主婦が言った。
「ころりさんはお子さんがいないから、子供と直接関わるレクレーションとかだと無理でしょう?だからお菓子係をお願いしてるんです。ただ買い物するだけですから」
その言葉に胸がズキッと痛んだ。
その主婦が言った事は間違っていない。その通りだ。
確かに私は他の係を頼まれるより、まだ「ただの買い物」を頼まれる方がマシだ。
本当に彼女達は私の気持ちを察して考えてくれたのかもしれない。
だがもしそうなら、いっその事「子供がいないのだから、子供メインのクリスマス会に参加したくないかもしれないわね」という所まで察してくれれば良いのに…と思う。
しかしきっと彼女達からすれば、なぜそこまでクリスマス会への参加を嫌がるのか理解出来ないだろう。
子供がいるとかいないとか関係ない、地域のみんなで交流を深めるべきでしょう?と思っているのが伝わってくる。
それなのに、毎回「楽しみですね」とにこやかに答えられない私は、彼女達にとっては「感じの悪い人」になってしまう。
自分でも分からない。なぜここまで嫌なのだろう。
子供がいない事が理由というより、子供がいる母親集団の雰囲気に馴染めない。
「子あり、子なしの線を越えて、こちらに入ってきなさいよ」
と彼女達は言うかもしれないが、会話する度に彼女達との線がハッキリするような気がするのだ。
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