デジタル生活で失ったもの

40代前半の頃には、今ほど老化を感じなかった。
もちろん子供を持つという意味では、年齢的な焦りや不安があり、婦人科で不妊の会話をする度に老化という言葉は何度も出た。
しかしそれは目に見えない部分での老化。普段での生活ではまだ実感の無い老化だった。
だが今は違う。
40代半ばを過ぎた頃から急に老化を実感し始めるようになった。
顔の皺や白髪といった美容的な部分はもちろん、それ以上に辛いのが健康面の衰え。
そして最も実感しているのが眼の老化、そう…老眼だ。
とにかく酷い。
老眼とはもっと徐々に実感するものかと思っていたが、最近はハイスピードで進行しているような気がする程、目が見え辛い。
症状としては焦点が合わないのが一番多い。
ずっとパソコンを見ている時は良いのだが、ふと視線を外して別の物を見ようとするとぼやけている。
又、今までは無かったのに最近は飛蚊症が酷くなってきた。
目の前に黒い点々が見えて邪魔なのだ。
さらに夜盲症まであり、暗い場所では目が見え辛くなっている。
以前眼科で相談した事もあるが、どれも根本的な治療法は無く、目を休めたりビタミンを摂取するなどしかなさそう。
他にも乱視やドライアイなどもあり、毎日目が煩わしくて仕方がない。
先日、美智子さん達と会った時、この目の不調を話した。
同年代の女性なら同じような事を感じているのではないかと思ったのだ。
「近くに来ているのでお茶しませんか?」美智子さんからラインが来た。
しかし何と驚いた事に、その場にいた3人共、老眼を感じた事は無いと言うのだ。
さらにそのうちの2人は、視力が2.0とか1.5とか…私達の世代では考えられないような優秀な数値。
私が驚いていると、彼女達が言った。
「ほとんどネットをしないし、テレビもあまり見ないので」
なるほど。
仕事をしていたのも若い頃の2~3年で、それ以降は仕事はしておらず、家でもパソコンを使う事がほとんど無いらしい。
スマホも連絡を取る程度で、そのうちの一人はガラケーを使用していた。
どこか時代に取り残されているかのように見える彼女達だったが、その話を聞いて健康な目が羨ましかった。
老眼を知らない生活に戻ってみたい。
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