介護をさせてもらっていると思うべき

年々、母の言う事が変化しているように思う。
今では考えられない事だが、10年ぐらい前まで母は、「あちらのお義母さんの介護をしてあげて。私はいいから」と言っていた――ような気がする。現在の母があまりに違い過ぎて、その記憶が私の妄想ではないかと思う程だ。
今日も実家の母から電話があった。
出来るだけ用件だけ聞いて電話を切ろうとしたが、母が話を重い方へ重い方へと持って行く。
そしていつものように、「老人は寂しいものよ。若い人の方から気にかけて連絡をするべきなのよ」と言い始めたが、その周りクドイ言い方にイライラした。
自分が寂しいなら、「寂しいから電話して欲しいわ」と言えばいいだけなのに。
どうして上から目線で私に教え諭す言い方をするのだ!
さらに母は言った。
「私は自分の親の介護を、させてもらっているという気持ちで看ていたわ」
「あ、そう」
私はため息をついた。
自分の介護をさせてもらっていると思いながらして欲しい訳?
私は母に反発するかのように言った。
「それなら私は義理の両親の介護をさせてもらっていると思ってするべきって事ね」
もちろんそんな気持ちになれるはずがない。
今後どんどん介護が必要になってきたとしても、私の気持ちは義務感だけだろう。
だが私はあえて義理の両親の事を持ち出す事で、母に小さな反抗をしたかった。
案の定母は、
「それは違うわよ。あちらの両親には他にも子供がいるんだし、ころりは血が繋がっていないんだから。関係ないわ」と言った。
以前、義理の両親の介護をしてあげてと言っていた同じ人とは思えないセリフ。
母は年々、いや、もっとハイスピードで、「自分が自分が」と自己中心になっているように思う。
根本的に昔から自己中心的な人だったが、もう少し若い頃には、体裁とか偽善とかそういうものでブレーキがかかり、「私の事は気にしないで」と表面上は言う余裕があった。
しかし今は自分の欲をそのまま私にぶつける。
私が夫の両親の話をするだけで機嫌が悪くなる。
今後、ますますワガママになる親と付き合っていくと思うと耐えられるのか…不安で仕方がない。
よく読まれている記事