子なし主婦の私の居場所

私はずっと居場所を探してきた。
今現在も、心のどこかで私が落ち着ける居場所を探している。
それはきっと、30代の頃、まだまだ働きたいという思いを残しつつ鬱病になり仕事から離れてしまったからだと思う。
いつか戻る。
いつかまた自分を認めてもらえる場所に戻る。
その思いが捨て切れなかった。
生き甲斐や自分の存在意義に悩んでいる他の主婦ブロガーの記事を読んでいても、最終的に彼女達は、「私には家族がいる」「家族が私を必要としてくれている」と、家族が居場所だという結論に至っていた。
そんな記事を読むと、私とは違うと思った。
子供がいる人はいい。子育てという大役を果たし、子供から必要とされ、唯一無二の存在になれる。
だが私は子供がいないのだから、必要としてくれる場所を外に求めるしかない…と思っていた。
現に、子供がいない主婦で若い頃からずっと正社員で勤め続け、私のような年齢になると管理職に就いている人も多い。私もそうなりたい…なるべきだという焦りがあった。
子供がいないマイナス分を、そういう事で埋めなくてはいけないプレッシャーがあった。
だがそうなれる強さが無かった。
そして最近、色々な事がありふと気付いた。
子供がいないからといって、私に家族がいない訳ではない。
夫と愛犬、それが私の家族だ。
その二人に必要とされているのは確か。そして私も彼らを必要としている。
それで十分ではないか。
子供がいないと、一般的な「家族」とは違うような気がしていた。しっかりと根を張った家族ではなく、独身二人がただ同居しているような気分が抜けなかった。
だけど今、目の前の夫と愛犬が私を一番必要としていて、彼らが幸せな事が私の一番の喜びだ。
まだ、心からそう思えた訳ではない。
まだ古い自分が燻っていて、社会に出て認められたい願望も捨て切れていない。
だが徐々にその気持ちが薄れている。
二人と一匹でひっそりと静かに暮らせればそれでいい。
そんな気持ちにシフトしつつある。
よく読まれている記事