災害対策チームを新たに発足

テレビでは朝からずっと災害の様子が報道されている。
それを見ていると、ある被災者が、「日頃の防災訓練が役立った」と話していた。
水が屋内に上がってきた時、定期的に行われていた防災訓練のおかげで、落ち着いて行動出来たと言う。
私達の地域でも定期的に防災訓練が行われている。
ただ、毎回危機感が薄く、訓練と言っても実際はただ主婦と子供が集まって喋っている時間の方が長い。
そんな訓練、必要なの?意味があるの?
いつもそう思っていたが、今回語っていた被災者のように、やはりいざという時、防災訓練をやっていたかいないのかで差が出るのだろう。
それでも正直に言うと、今後も防災訓練があると聞くと憂鬱になると思う。
もしかしたら今後は防災訓練の回数も増えていくのでは…と憂鬱な気持ちになっていたところに、案の定回覧板が回ってきた。
災害について緊急会議を行うらしい。
役員は必ず参加だが、それ以外の人達も出来るだけ参加するようにと書かれていた。
そしてその回覧板を持ってきた主婦が言った。
「災害対策チームを新たに作るらしいですよ。その為の会議でしょ」
また新たな役が増えるのか…。役員と班長だけでもいっぱいいっぱいなのに…。
だが災害に関する事で不満を言うのはタブー。思うのも罪悪感。
私は本心を隠し、ただ頷くと、その主婦が言った。
「ころりさん家、ご主人の帰宅が早いでしょう?きっと対策チームの役員を頼まれると思いますよ」
その主婦の話によると、災害対策チームの役員は老人を除いた男性が選ばれるらしい。
さらに条件として、夜の会議に頻繁に参加出来るよう、帰宅が早い人が優先されると言う。
私の夫は近所の人達に比べて帰宅が早い。
他の人達は21時、22時は当たり前で、終電で帰ってくる人も少なくない。
となると必然的に私の夫に白羽の矢が立つ…らしい。
「それとなくご主人に話しておいては?」
その主婦にそう言われたが、夫が不機嫌になるのが想像出来て、まだ話せていない。
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