イエスマンではない私

パート先に行くと、今まで見た事のない書類が回ってきた。
「これ…何ですか?」
思わず書類を持ってきた社員に聞き返してしまった。
内容が分からないから聞いたのではない。
その内容が意味のない無駄な書類だと思ったのだ。
「今度からそれを作る事になりました」
そう社員に説明され、「そうですか」と答えたものの、胸の内はモヤモヤが膨らむばかり。
私にもその「無駄な書類」を作って欲しいと言う。
社員の人達はこの書類を作る事に疑問を持たないのだろうか…。
そう思ったものの、私はただのパート。それもほぼ在宅。口出しする事ではない。
しかしいつまでも私のモヤモヤが消えない。
やはり納得出来ないまま無駄だと思う仕事をするのが嫌だった。
「無駄かどうかはあなたが判断する事ではない」
それは分かっているものの、イライラとしてしまう私はやはり堅物なのだろう。
休憩中、何気なく隣に座っていたパートにその書類の事を聞いた。
すると、最近転属してきた上司がその書類が必要だと指示したらしい。
他のパート達もその書類が不要だと思っているらしく、「無駄だよねー」と言い笑っていた。
さらに話を聞いていると、パート達はその書類を作る為に残業した日があるらしく、退社時間は0時を過ぎていたと言う。
パートで?日付が変わる残業?
それも不要な仕事なのに…。
やはり私には理解出来なかった。
しかしパート達は私程抵抗感がないようで、「深夜にお茶して結構楽しかったよね」と言い笑っていた。
皆でお茶をしつつ喋りながら仕事をしていた様子が目に浮かぶ。
残業さえも彼女達にとっては楽しい会話の時間なのか。
ある意味、私より彼女達の方がずっとイエスマンだと思った。
私は何も言い返せないと言いながらも、実はこんな事一つに引っかかりを感じ、素直に「イエス」と言えない。
この性格が自分をさらにイライラさせているのかもしれない。
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