何でも交流、台風の後も群れる住民達

今日も近所の話題。
昨日に引き続き、また班長の主婦が家に来た。
また?今度は何の話だろう…昨日の今日で重い気分になりながらドアを開けた。
すると、今回の台風の影響で近所一帯にゴミが散らかっているから皆で掃除をする事になったと言う。
今日の朝、会長から各班長や役員に連絡があり、班ごとに集まって掃除をするように指示されたらしい。
私はこの班長主婦が来るまで外に出ていなかった。
なので外がどれ程荒れているのか見てもいなかったのだが、確かに私の家の玄関周りにも枯れ葉がたくさん落ちていた。
しかし…。
その掃除を班の皆で集まってする程の事?
と思ってしまうのは私だけ?
「丁度連休で家にいる人が多いから、みんなで協力して作業した方が交流も深まるからって、会長が」
気持ちが顔に出てしまっていたのだろうか。班長主婦は説得するような口調で言った。
「分かりました。今からですか?」
そう聞くと、既に他の人達は公園や道路の掃除を始めていると言う。
私は焦った。化粧をしておらずスッピンだったのだ。
しかしまさか、「化粧をするので待って下さい」とも言えず、仕方なく帽子を目深に被り、いつも以上に俯いて皆のいる場所に歩いて行った。
だが皆の様子を見て思った。
これは掃除ではなく、ただの井戸端会議ではないか。
手にはホウキなどを持っているが、ほとんどの主婦は手を動かさず、立ち止まって談笑しているだけ。
これは一体何時に終わるのだろう?
掃除だけなら15分もあれば終わりそうなのに、井戸端会議が始まってしまうと何時間この場にいるのか分からない。
しかし思い出した。
さっき班長主婦が言っていた、「交流を深める為」の掃除だとすれば、この状況がこの自治会の目指す姿なのだろう。私には到底ついて行けないが。
私は30分程度その場をウロウロしていたが、掃除も終わってしまった為居心地が悪く、「それではお先に…」と主婦の群れに声をかけて家に戻った。
「あ、お疲れ様~」
数人がそう言ってくれたが、この後噂の的にされるのかな…と思うと息苦しい。
近所が嫌で引っ越しをする人ってどれぐらいいるのだろう。
最近ますます真剣にこの地域から抜け出したい。
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