次男が引き継ぐのはご先祖様に申し訳ない

今日は義母の通院日だった為、午前中は病院に行き、午後に義実家に義母を送り届けてそのまま帰ろうとすると、義叔母が玄関から入ってくるところが見えた。
「あら、ころりさん、来ていたの?」
そう言いながら勝手知ったるという感じでズカズカと居間に入って来た。
「まぁ、座りなさいよ」
と、義叔母が言う。
この義叔母は義母と一番仲が良いというか、こうしてこの家にも自由に出入りしている関係だ。
いつも訪問前に連絡もなく突然現れるので、私なら嫌だと思うが義母は気にしていないらしい。
私が「今帰ろうとしていたところで…」と立ったまま頭を下げると、義叔母は、
「何言っているの!早く座って!ゆっくり叔母さんの相手をしてよ」と言い、ガハハッと笑った。
義母とはまた違うタイプで、豪快なのだ。
とてもそんな義叔母の迫力に抵抗出来ず、そのまま居間に座る事となった。
そして最初は義母の足の調子の話だったのだが、そのうち話題は墓の事に。
先日もチラリと言っていたが、義母は今日も、「次男夫婦に墓と仏壇をみてもらおうと思ってるの」と義叔母に言った。
夫と一緒に義実家に行った時、義母が墓や仏壇の話をし始めた。...
それを聞いた義叔母は最初、「ふーん」と言っただけだったが、いつも明るい義叔母にしては険しい表情だな…と思った。
そしてしばらくその話を黙って聞いていた義叔母だったが、次に口を開いた。
「それは間違っていると思うわよ」
強い口調だった。
義母は驚いた様子で、「どうして?何か問題ある?」と弱気な声を出した。
義叔母の考えとしては、墓や仏壇というのはあくまでも長男が引き継ぐべきだと。先に亡くなったなど何か事情があるなら別だが、次男や三男というのは通常は新たに墓を建てるべき―――という事らしい。
「ご先祖様に申し訳ないと思わないの?」
義叔母は言った。
義叔母に反対されて義母は言葉を返せず困った顔をした…そして義父も。
いつも無口な義父だが、少し離れた場所から、「別に問題ないだろう」と話に入ってきた。
3人とも私の意見など気にもしていない。
誰に渡すかを話し合うのは自由だが、どうしてその相手が無条件に了承すると思っているのか…不思議でならなかった。
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