働くなんて嫌
少し前に知り合った同世代の女性がいる。
友達でも何でもないのだが、ふとした事で知り合い、家もわりと近い為、散歩の途中や買い物で出会えば時々立ち話をした。
第一印象はふんわり優しい感じで、とても家庭的な雰囲気。
どんな時も絶対怒ったりしないんだろうと思わせる。
そんな彼女相手だと私も変に気を張らず、リラックスして話す事ができた。
しかし、こちらがそうでも、彼女の方はそうではない様子だった。
とにかく話が途切れるのが怖いように見える。
私も普段そうだから分かるが、話し始めるとまくしたてるように早口で話し、話題が途切れると慌ててその場を去ろうとする。
必死に頑張って話してる感じが、ヒシヒシと伝わってくるのだ。
話している時の彼女は気の毒になるぐらい不自然だった。
彼女は20代の若い頃に少し働いていたらしいが、その時の人間関係が酷く、もう二度と働きたくないと言う。
その話をする時の彼女は、いつものオドオドした感じと違い、強い気持ちを吐き出すようであった。
分かる。私も同じようなものだから。
しかし私は二度と働きたくないとハッキリ言える程、経済的に余裕がない。罪悪感もある。
「うちは貧乏だからそうもいかなくて」と私が苦笑すると彼女は、
「私もお金はないけど、働くつもりはないわ」と断言した。
何かしら国からの手当を利用するつもり、と言う。
圧倒された。悪びれる風もなく、当たり前のように言える事が。
彼女は「働くなんて、嫌じゃない?」とも言った。
あんな風にすっぱりと働く事を諦められるのが不思議であり、ある意味羨ましくもある。
楽になれるのかも……心からそうなれれば。
「うちは貧乏だからそうもいかなくて」と私が苦笑すると彼女は、
「私もお金はないけど、働くつもりはないわ」と断言した。
何かしら国からの手当を利用するつもり、と言う。
圧倒された。悪びれる風もなく、当たり前のように言える事が。
彼女は「働くなんて、嫌じゃない?」とも言った。
あんな風にすっぱりと働く事を諦められるのが不思議であり、ある意味羨ましくもある。
楽になれるのかも……心からそうなれれば。
- 関連記事
よく読まれている記事