次男が墓を引き継ぐという事

夫と一緒に義実家に行った時、義母が墓や仏壇の話をし始めた。
最初は、「ころりさんが色々手伝ってくれて助かりますよ」と、私への礼を言ってくれていた。
義母は我が強い面があるが、時々こうして私への感謝の気持ちを表してくれるのは喜ぶべき事なのだろう。
そして義母が私に言った。
「先の事は頼むわね、ころりさん」
ん?先の事?
私は引っ掛かった。
以前から気にはなっていた。
あれだけ頻繁に実家に顔を出し、仏壇や墓参りも欠かさなかった義兄が、最近は一切顔を出さない事を。最後に顔合わせたのはいつだったのか…忘れてしまった程だ。
だがそれでも義兄は長男であり、仏壇や墓は義兄が引き継いでくれるのが当然だと思っていた。いや、今も思っている。
それを義母に確認したい。
そう思った時、私より先に隣にいた夫が言った。
「先の事って何だよ。仏壇は僕達に関係ないだろ」
よく言った!そうそう、その通り。私達は次男夫婦なのだから。
私は心の中で叫んだ。
だが義母は、
「だって長男に渡しても後を見てくれる人がいないじゃない」と言う。
それを言うなら私達だって「後」は無い。
もし私達夫婦が仏壇や墓を引き継いだとしても、結局そこで終わりなのだ。子供がいないのだから。
私達夫婦は口を揃え義母にそれを伝えた。
すると今度は黙って聞いていた義父が珍しく、「それでもお前達がみてくれた方が安心だから」と言った。
何がどう安心なのかよく分からなかったが、夫は「とにかく僕達はそんなつもりは無い」と言い切り、そのまま気まずい空気が流れた。
夫には言わなかったが、正直私はどちらでもいい。
介護の問題に比べれば、仏壇や墓を頼むと言われば、引き受けても良いという気持ちはある。
もし私達に子供がいて、さらに義兄がこのような状況になれば、もしかして引き受けていたかもしれない。
しかし…
やはり子供がいないのに、私達が引き継ぐ意味があるのか…分からない。
それも長男が存在するのに、次男が引き継ぐなんて変ではないのか?その場合、長男はどの墓に入るの?分からない。
帰宅後、早速ネットで調べてみると、次男でも墓を引き継ぐ場合はあるらしい。
絶対こうでなければならないという決まりはなく、親と兄弟間で納得していればどういう方法であっても良い。
夫は親の前では私の為に断ってくれたが、帰宅後に話してみると、親の希望通りにしてあげたい気持ちがあるらしい。やはりそうだと思っていた。
しかしどう決めるとしても、一度義兄と話し合った方が良いと思うのだが。
次男が墓を引き継ぐという事。
子なし夫婦が墓を引き継ぐという事。
どちらの面から考えても私達が引き継ぐのが良いとは素直に思えない。
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