今時僧侶に思う寺と檀家の関係性

今日は夫の実家に僧侶が来る日だった。
朝早くから夫と二人で実家に行った。
僧侶は午前中に来る予定なのだが、何時に来られるのか全く分からない。
寺からの連絡通知
いつもお盆の時期には寺から、「〇月〇日午前にお参りに伺います」と連絡通知が送られてくるらしい。
私もその通知を見せてもらったが、やはり時間は書かれておらず、午前・昼頃・午後・夜と印刷されており、そのうち午前の文字が丸で囲まれていた。
確かに僧侶にとっては一年で最も忙しい時期。
一日で何十件も回らなければならいのに、個別に時間まで指定出来ないのだろう。
そして意外だったのは、寺からの連絡には返信用のハガキも入っており、「お参り不要の方はこのハガキを返送して下さい」と書かれていた。
どこの寺でもこういうシステムなのだろうか。
それともこの寺の檀家数が多いからそういう形を取っているのか。
よく分からないが、「今風」な気がした。
私の勝手なイメージでは、僧侶からのお参りは断り辛く、有難く受け入れるべきなのだろうと。
事情でそれをお断りする場合は、こちらから電話なり事前に寺に行くなりして、気を遣いつつお断りするのだろうと思っていた。
それがこんな風に寺の方から不要な場合の方法まで用意してくれるなんて、なんだかドライ。割り切っている。
今時の僧侶
そうして皆で待っていると、10時頃に僧侶が来た。
昨年は想像以上に一瞬でお経が終わり、バタバタと慌ただしく僧侶が去ってしまったので、今年も同じような感じなのだろうと覚悟していたら、今年は全く違い、ゆっくり座り会話する時間まであった。
というのも、僧侶の息子が後を継ぐらしく、今年は親と息子で手分けして檀家を回っているらしい。
今年義父母の家に来た僧侶は、若い息子さんの方だった。
まだ30歳前後といったところ。
お経や立ち振る舞いは当然僧侶として落ち着いた雰囲気だったのだが、その後お茶を飲みながら会話していると言葉の端々に今の若者らしさを感じた。
淡々としている。
僧侶らしい会話など一つもなく、話したのは天気の事、僧侶の結婚の事(というか恋愛話⁉)、あとは僧侶が最近買った新車の話など。
完全にフツーの若者。
義母などはそれが物足りない様子で、「やっぱりご住職の方がいいわ」と零していたが、私はその若い僧侶に親近感を覚え、久々にリラックスした時間を過ごせたように思う。
義母がその若僧侶に、「お忙しいでしょう?大変ですね」と言った時、
「いえ、最近はお参り不要の方も増えていますので、私はわりと暇なんです」と言った時には、その素直さが可笑しくて笑ってしまった。
こうして寺と檀家の関係も時代により変わっていくのかもしれない。
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