お盆に実家に帰るのは当たり前?

今日も義父母の家に行くと、義母と義父が近所の人の話をしていた。
「佐藤さんのところ、お盆に息子さんが帰ってこないらしいわよ」
「あそこの息子、遠くに住んでるのか?」
「違うわよ、車で30分もかからない場所よ。それなのにねぇ…」
「親不孝だな」
「きっとお嫁さんが嫌がっているのね。息子さんは親思いの子だったから」
――そんな会話を私は仏壇を飾りながら聞いていた。
その近所に住む佐藤さんは義父母と同年代だ。一人息子らしく、親が「お盆は何日に来るのか?」と確認したところ、「忙しいから行けない」と返事があったらしい。佐藤さんはそれが悲しくて義母に愚痴ったようだった。
本人の気持ち次第
私はこういう会話を聞く度に思う。
お盆や正月に実家に帰るのは当たり前。
私もそう言われ育ってきたが、本当に「当たり前」なのだろうか。
ネットでも、「正月に実家に行くのが億劫です」や、「お盆に実家に行くぐらいなら仕事をしている方がマシ」と書かれているのを目にした事がある。
中には親に会いたくて喜んで帰省する人もいるだろうが、そうでない人も多い。
さらに私のような実家の近くに住み、日頃から頻繁に会っている人にとっては、「お盆だから来なさい」と言われても、「いつも行っているのに…」と負担に感じるだけ。
お盆の時期には、実家に仏壇があったり僧侶が来るという場合などは、そこに行くのが当たり前だと言われるのかもしれないが、それでさえも、本人の気持ち次第ではないかと思う。
実家に帰るのは本人が行きたいと思う時に行けばいい。
そう思えたらどれ程楽か。
以前別ブログで、心屋さんの「お母さん、年末、実家に帰らなければダメですか?」という本を紹介したが、こういうタイトルの本が読まれている、必要としている人がたくさんいるという事は、「実家に帰る」という事を負担に感じている人が少なからずいるのだと思う。
親は子を待つものなのよ。
あなたも親になれば分かるわ。
そんな声が聞こえてきそうだが、私がもし親になり、心では子を待っていたとしても、それを口に出して「帰ってくるのは当然ですよ」と子供に言う親にはなりたくない。
子供が無理をして親の為に実家に帰るのなら、親も無理をして子供の為に一歩引いて「黙って待つ」という事をしても良いと思う。
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