突然来ちゃいました

また美智子さんからラインがきた。
あれから美智子さんから一度ラインがきた。そして、「真知子さんにころりさんのラインを教えてもいいですか?」と聞かれた...
恐る恐るラインを開いた。
美智子さんが嫌いな訳ではないが、先日「ラインを真知子さんに教えてもいい?」と聞かれた事もあり、次は何だろう…と構えてしまう。
「こんにちは。今、先日お会いしたコーヒーショップにいます。少しだけお会い出来ませんか?お渡ししたいものがあります」
…またか。
心がザワザワした。
しかしそれ程驚きはなかった。
心のどこかでそれを予想していたような気もする。
「え?今?少し時間がかかりますが…少し待って頂けますか?」
私は返信し、化粧をし着替えた後、家を出た。
少し前に彼女達が来た時と同じパターン。
きっと今日も真知子さんが一緒に違いない…と覚悟していた。
どうして彼女達は、突然「来ちゃいました」なのだろう。
事前に会える日を聞こうという発想はないのだろうか。
だがもし事前に聞かれたら私は躊躇してしまい、何とか理由をつけて断ってしまうかもしれない。それが彼女達に分かっているのだろうか。
店に入ると、二人がいた。
真知子さんが一緒にいる事に驚きはなかった。
「ごめんなさいね、いつも突然来てしまって」
美智子さんは冗談っぽい口調で笑いながら言った。
私の心を読まれているのだろうか。
しかし彼女達の要件は私が想像していたようなものではなく、単に果物を持ってきてくれただけだった。
真知子さんが私に袋を渡した。
その中には立派な巨峰がずっしりと入っていた。
「わ、美味しそう」
私が思わず言うと、「でしょう?私達の仲間に貰ったんだけど、食べきれない程たくさんあって。良かったらころりさんにも食べて欲しくて持ってきちゃいました」
「そんな……わざわざすみません」
「こちらこそ、押し付けちゃってごめんなさい」
「いえいえ、本当に美味しそうです」
こんな風にお互い気遣った会話が続き、話しているうちに徐々に私の心も緩んだ。
私は何を構えていたのだろう。
宗教を勧めてくる人は頭が固い――そう思い込んでいたが、彼女達の事を決めつけていたのは私の方なのかも。
彼女達は巨峰を渡しただけですぐに帰って行った。宗教の話題など一切なかった。
帰宅後、巨峰を洗って一口食べると甘い香りが口いっぱいに広がった。
真知子さんが一緒にいる事に驚きはなかった。
「ごめんなさいね、いつも突然来てしまって」
美智子さんは冗談っぽい口調で笑いながら言った。
私の心を読まれているのだろうか。
しかし彼女達の要件は私が想像していたようなものではなく、単に果物を持ってきてくれただけだった。
真知子さんが私に袋を渡した。
その中には立派な巨峰がずっしりと入っていた。
「わ、美味しそう」
私が思わず言うと、「でしょう?私達の仲間に貰ったんだけど、食べきれない程たくさんあって。良かったらころりさんにも食べて欲しくて持ってきちゃいました」
「そんな……わざわざすみません」
「こちらこそ、押し付けちゃってごめんなさい」
「いえいえ、本当に美味しそうです」
こんな風にお互い気遣った会話が続き、話しているうちに徐々に私の心も緩んだ。
私は何を構えていたのだろう。
宗教を勧めてくる人は頭が固い――そう思い込んでいたが、彼女達の事を決めつけていたのは私の方なのかも。
彼女達は巨峰を渡しただけですぐに帰って行った。宗教の話題など一切なかった。
帰宅後、巨峰を洗って一口食べると甘い香りが口いっぱいに広がった。
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