子なし主婦になり興味の対象外になった

考えて見れば、最近は家の話題をされる事が無くなった。
結婚当初から30代後半ぐらいまでは、
「家って何坪?」「どこのメーカー?」「間取りは?」
職場でも古い友人と会った時でも、皆が家に興味津々だった。
そしてその会話が発展すると、「ころりさんの家に行ってみたい!招待してよ!」と言われる。
以前はそれが嫌で嫌で、それをどう断るかが悩みの一つだった。
興味の移り変わり
しかし今は家の事を聞かれる事もほとんど無くなった。
皆、他人の家のサイズなどどうでも良くなってきたのだろう。
その後訪れたのが、「子供は何人?」という質問。
妊娠出産世代というか、周囲の女性達は仕事は二の次で、とにかく自分も出遅れないように、早く妊娠したい!という意気込みが伝わってきた。
私が「子供はいないの」と答えると皆必ず、「そのうち出来るわよ、大丈夫」とお決まりの言葉をかけてくれていたが、今では同じ答えをすると、相手は申し訳なさそうな顔をするのでこちらが気まずくなる。そんな年齢になった。
そして現在、私が受ける質問といえば「夫の収入」や「親の遺産」の事ぐらい。
それ以外の会話はやはりほとんど子供の進学や塾、学校の先生やママ友の話ばかりで、私は会話について行けず彼女達も以前のように私に興味を示さない。私は対象外になった。
母親にとって子供の話題は永遠
「あと10年もすれば子供も独立して家を出るから、また共通の話題も増えるわよ」
ある人にそう慰められた事もあった。
そうか、思い返しても女性の話題はその時々の年齢により移り変わっている。この先も話題に変化があるのだろうか?
しかしそうは思えない。
子供が大学に入学すれば、次は就職、そして結婚。
結婚して終わりかと思えばそうでもなく、子供が家を建てるとか、孫が出来たとか、孫が入学するとか。
話題は少しずつ変化していくが、その中心が子供である事に変わりはない。
それどころか子供の配偶者や孫が出来る事で、さらに子供に関する話題が広がっていく。
先日母との電話を強引に切ったが、今日はまた電話がかかってきた。先日の電話の事を友人に話し相談したと言う。
「それでね、中原さんが言うの。ころりちゃんは更年期障害なんじゃないかって。だから気分がイライラする事もあるだろうから、大目に見てあげたら?って」
私は母のこの言葉を聞くまで別にイライラしていなかったが、この言葉によりイライラが始まった。
とにかく母は何もかもが上目線なのだ。
そしてそれと共に思った。
母の年齢になっても、やはり話題は子供の事なのだと。
母は私との出来事は全て友人達に話す。
友人達も自分の子の事を母に話す為、それを母から聞かされる私まで、母の友人やその子について詳しくなる。
何歳になっても母親はずっと母親。
子が成長したからと言って、突然考え方や感じ方が子なしや独身者のように戻る訳ではない。
今更私は子供が欲しいとは思わない。
不妊治療を頑張った人のように、子供の話題をされて傷つくという事もない。
もし何の壁もなく、「私の子供がこうなのよ」と、私に向かって子供の話題をしてくれれば嬉しい。だがそれは無い。相手も壁を感じ、私に気を遣う。一対一ならまだ良いとしても、それが多数対私となれば、それはもう孤独でしかない。
ドッグランに犬を飼った事がない人がいるような気分だ。
母親は永遠に母である。
そう思うと、私は永遠に孤独を感じ続けるのだろう。
同じ環境の人に出会いたい。時々そんな気持ちで胸が苦しくなる。
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