AB型の人とは友達にならない
前回パート先に行った時、新しく採用されたパートの女性がいた。
年齢は50代。
この職場は女性が多く人間関係が殺伐とし、パートが幅を利かせ上司は頼りなく理不尽な事も多い。
しかし年齢問わず採用されたり、私のように在宅勤務など融通が利くのが唯一良いところ。
逆に言えば若い人や向上心の高い人はすぐに辞めてしまうのだが。
その50代女性は見るからに真面目で大人しそうな人だった。
ほとんど出勤しない私には関係ないが、それでもこういう物静かな人が職場に増えるだけでホッとする。
しかし様子を見ていると、他のスタッフと馴染めていない様子。まるで私と同じ状態だ。
休憩中も周囲と話す事なく、隅の席で俯いて食事をし、食べ終わると部屋から出て行ってしまった。
そして出て行った瞬間、酒家さんが言った。
「やな感じ」
酒家さんは元々私と同じ臨時パートだったのに、今ではこの職場の主になりつつある。
職場では勤務期間や立場などは二の次だとつくづく実感する。性格の強い者勝ちなのだ。
「暗いよねー、あの新人」
酒家さんがそう言うと、周囲も「分かる、こっちまで息苦しくなるわ」と共感していた。
すると酒家さんが言った。
「あの人、絶対A型よ」
「どうして?」と他のスタッフが聞くと、「だって暗い、真面目、神経質そう。これってA型でしょ」と言い、その場にいた人達と一緒に笑った。
それから血液型の話題になり、「あなた何型?」「待って!当てるわ」と盛り上がっていた。
私はいつものように会話には入っていなかったが、いつ自分に話を振られ、「ころりさんは何型?」と聞かれたり、「ころりさんは何型っぽいよね」と言われるかとドキドキした。
血液型による性格判断は、単にその人を否定する為のこじつけとしか思えない。
最初から「Aっぽい人」「Bっぽい人」という決めつけがあり、それがハズれた場合には、「意外~Aっぽくないねー」となる。
中には、「私はAB型の人とは友達にならないって決めてるの」と言う人まであり、そう言う人とこそ友達になりたくないと思う。
新人の50代女性。
次に私が出勤した時には辞めているような気がする。
よく読まれている記事